
― 小山先生がヨーガや中国養生医学、東洋哲学に興味を持たれたのはいつごろ、どんなきっかけからでしょうか。
は3歳頃から言語障害で悩んでいました。そこで練習に通っていた大阪の合気道の先生(スティーブン・セガール師範)の勧めもあって、18歳の時にクンダリーニ・ヨーガを始めました。セガール先生は、当時ヨギ・バジアン師や高弟のサト・ワン・シン師と懇意にしていましたし、クンダリーニ・ヨーガが他のヨーガとやや異なることも理解されていました。「合気道じゃ治らないから」と言われたのを覚えています。
― 先生は言語障害をお持ちだったのですね、それは大変なご苦労をされたことと思います。ではクンダリーニ・ヨーガが障害の克服に効果的だったこと、その道のりをお聞かせください。また・・・・いま小山先生のお話のなかで、「スティーブン・セガール先生」と仰いましたが・・・・ハリウッド俳優の、ですよね?!合気道を中心としたアクション映画スターの!それはまた、すごいご交友ですね!
でも当時は先生も有名じゃなかったから・・・。それではまず、ヨーガが障害の克服に効果的な理由についてお話しましょう。ヨーガでは本来、最初の段階で、心身のコントロール法を学びます。体温や血流、脳の内呼吸、内分泌、神経系などを制御することから、練習を始めます。最近は、どうもアーサナや呼吸法などに偏っているようですが、それはヨーガのほんの一部にすぎません。つまり、自己コントロールに熟達すれば、障害も改善するはずだ、というのがセガール先生からのアドバイスだったのです。
私の場合はこのように、ヨーガを好きで始めたのではなく、なんとか障害を克服したいという一心でした。ところが、後日、ヨギ・バジアン師や諸先生方にチャクラやクンダリーニを体感させて頂き、また深い瞑想の境地を体験し始めた頃から、段々とヨーガが楽しくなってきました。
― ヨーガをはじめるキッカケや理由は、みなさん本当にいろいろですね。健康や美容にいいからと始める方は多くいらっしゃいますが、練習方法によっては障害すら克服できてしまうんですね!お話を伺ってヨーガの素晴らしさを改めて感じました。では、先生がヨーガを楽しいと思いはじめたきっかけ「チャクラやクンダリーニ体験」とは、具体的にどんなことなのでしょうか? チャクラとは人体に7つあるとされるエネルギー・センターで、クンダリーニとは人間の根源的な生命力のことです。通常、これらは神秘のベールに包まれ、長年ヨーガを練習しても中々体験できないとされていますが、良師に巡り会えたお陰で、熱や電気、そして光の強烈なヨーガ体験を味わうことが出来ました。たとえば目を閉じているのに、脳の中心に太陽のような光の球がもの凄い輝きと質感で出現したりするわけですから、本当に驚きました。これが本来のヨーガの世界なんだ、と感激しましたよ。
瞑想でも、最初の頃ですが、空間に融けてゆくように肉体感覚が完全に無くなるんです。いわゆる「空」の体験ですね。最初は少し怖くなりましたが、瞑想が終わって目を開けると身体があるんでホッとしたり、、。ともかく毎回毎回、瞑想するたびに驚きの連続でした。そして東洋の哲学や学問にも興味が沸いてきました。なぜなら、自分に起きていること(神秘体験)を理解するためにも勉強がしたかったから。もしも障害がなければ、ヨーガなどやっていなかったと思いますね。そう考えると、災い転じて福となすと言えるかも。
― それは貴重な神秘体験ですね!それらの体験から、自分に起きていることを理解するために、東洋の哲学や学問にも興味を持たれたと仰いましたが、ヨーガの楽しさというのはまた探求することでもあるのですね。その他にも小山先生は空手や武士道にも精通しているとも伺っています。空手や武士道の精神世界はストイックでとにかく厳しい!というイメージがあるのですが、バランスのとれた日常生活を送るために、それらをどのように活かされていますか?秘訣を教えください。
は中学の時に少林寺拳法を始め、その後多少、武道の道場に出入りしていただけなので、ほとんどやっていないに等しいのですが、武道家や格闘家の方々との親交から、幾つかの団体の技術顧問になっています。
武士道といえば「葉隠」が有名ですが、私は「大和心(やまとごころ)」を大事にしたいと思っています。大いなる「和」の心は、争いを鎮め平和の力になります。もともと「武」という字は、「戈を止める」(「説文解字」より)という意味なのですから。(※「戈」とは、古代中国の武具)
― 素敵な言葉ですね。いままで武士道とは、(道徳的に)厳しくストイックな生き方、という認識でしたが、同時にやわらかく穏やかな調和の心という要素もあるのですね。そのあたりにヨーガとの接点を感じました。この「はかろうぷろじぇくと」のコンテンツでは、自分を知ること、イコール、日々のデータを記録することの啓蒙活動をしています。たとえば、ヨーガや東洋哲学、武道という精神世界のなかで、データや数値とのつながりや、向き合い方をイメージすることが難しいような印象がありますが、小山先生流のお考えをぜひ私達に教えてください。
とえば呼吸法(力)が身についたかどうかは、いろいろな測定をすればわかります。以前ある雑誌の企画で、大学の教授方の元で、呼吸力だけで、つまり横隔膜を一度上下させるだけで、どれだけ体内に振動を起こせるかを測定しました。人体の70%は水分なので、呼吸が生み出す振動を伝えやすいのは当然ですが、その体内の振動を、体液を通して掌まで運び、測定機器に繋がった特殊な計測板に、掌を当てたままで伝えます。これはボクサーなどが行なう打撃力測定試験と同じ装置を使いますが、最初から掌を板に当てるところと、横隔膜以外に一切体を動かすことなく行なう点が違うところです。このように呼吸を測定可能な「衝撃力(波)」として体外に放出するのには、それなりの技術が必要です。
それはヨーガを練習することで誰でも身に付けられるはずです。いろんなやり方で計測をしましたが、私の場合は、最大値で612kgwということでした。ヨーガの呼吸法は、体内にさまざまな波(振動)を起こすのが主たる目的ですので、このような方法で簡単に計測できるわけです。最大値、力積、波形などいろいろなデータが取れます。それらが、ヨーガの技術の深さを改めて教えてくれました。
― それが先生の「火の呼吸」ですね?ヨーガは呼吸を大切にと常に言われていますが、熟練するとそれほどの影響力が身体に伝わるのものなんですね!わたしもヨーガの練習をしていますが、呼吸は目に見えないので自分の練習がどれくらいの効果を得ているのか、また正しく行えているかを知ることが難しいです。先生の行った呼吸の波動測定は特別なものですが、呼吸という外側から見ることのできないものも、ツールを使い数値で表すことができるという事実に目からウロコでした。そうやって測定をするということで、日々の練習の成果を確認できるのは本当に面白いです!また客観的にみることで、今後の練習の方向性をつけるガイド役にもなってくれますしね。では、チャクラ体験についてはいかがですか? そうですね。ヨーガを練習していてチャクラを体験できないというのは、やり方と習熟度の両方に問題があります。まずやり方についてですが、アーサナの形が正確であることは大前提ですが、呼吸の起こす振動を、目的としたチャクラに注ぎ込むことで、その部分の内呼吸(細胞呼吸)を加速させる必要があります。そうすれば、サーモグラフィーでもはっきり測定できるほどの熱反応が計測できます。それを踏み台として、次に神経叢や内分泌系の制御に取り組みます。大体1か月~半年あれば、ほとんどの方がチャクラの手応えをリアルに体感できると思います。ヨーガを単なる体操レベルで練習しているだけならば難しいですが、伝統的な流派であれば、大概きちんとしたカリキュラムがあると思いますよ。
― 呼吸の振動でおこる熱反応。そしてそれを踏み台とした自己の制御ですか!なるほど、客観データがあると手ごたえとしてより意識がしやすいですね。また、伝統に基づく流派のカリキュラムも良師というガイドがあるからこそ、正しく成果を達成することができるということも良くよくわかりました!先生のお話を伺いながら、このはかろうぷろじぇくとで推進している「自分を数値で表す」ということも、また日々の体内状態を知れる身近なガイドのひとつになれば良いなと思いました!
小山先生、ありがとうございました!
